鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
恋人の条件 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43
眼鏡から言われた本音という言葉が、妙に心に響いていた。
吐息が掛かるぐらいにすぐ間近に相手の顔が存在している。
こうしてシーツの上に組み敷かれているだけで、心臓が壊れてしまうのでは
ないかって思うぐらいにドキドキしているのが判った。
(こうして間近で顔を見ているだけで…胸が、おかしくなりそうだ…)
同時に、思いっきり相手の頬を叩いた手がジンジンと痺れていた。
こんな風に手のひらが痛くなるぐらいに力を込めて人を引っ叩いた事など
克哉は初めてだったのだ。
あんな風にタガが外れてしまったかのように、泣きながら相手に感情を
ぶつけたことなど今までなかったから。
克哉は半ば呆然となりながら、頼りない眼差しでもう一人の自分を
見つめていた。
(嗚呼、でもそうだよな…。オレ、今までこいつに嫌われるのが怖くて…
好きだって事すら言えないで…あんな風に感情をぶつけたことなんてなかった。
そんな事をしたら、嫌われてしまうと無意識の内に思っていたから…)
眼鏡の唇が、頬や目元に静かに降ってくる。
その感覚にくすぐったさを覚えていきながら…自分の方にもっと引き寄せたくて
懸命に首に腕を回して縋り付いていった。
相手の肩口に顔を埋めていきながら、必死になって抱きついていく。
お互いに無言のまま、暫く時間が流れていった。
そして…眼鏡は、ポツリと呟いていった。
「…お前はさっき、自分以外を抱くなと言ったな…。だが、そうなればお前は
一人でずっと…俺を待つことになるぞ。次にいつ来るのか判らない状態でな…」
「えっ…?」
思ってもみなかった事を言われて、克哉はハっと顔を上げていった。
気のせいか…もう一人の自分の表情がとても切ないものに映って…
克哉は言葉を失いかけていった。
そう、ここ三日間…頻繁に顔を合わせていたから、半ば忘れていた事だった。
もう一人の自分との逢瀬は、連絡が取り合える訳ではない。
気まぐれのように彼は姿を現し、そして抱き合ったらいつも克哉の傍らから
いなくなっている…そういう付き合い方をしていた事を思い出していった。
「…俺は今回はたまたま、十日間という時間をあの男から貰った。
だが…その期間が過ぎれば、お前の前にいつ顔を出してやれるか判らない。
傍にずっといてやれる訳ではなく、その間に…例の薬でお前への想いを引き出された
奴らが、お前にまた迫って来て必死になってお前を口説くかも知れない。
それなら…お前も心憎からず思っている御堂をこちらに引き寄せて、俺がいない
間…一緒に過ごす事を認めれば、お前は少なくとも他の奴に流される事は
なくなると考えた訳だが…違うか?」
「えっ…あ、それって…言葉は悪いけど、御堂さんを…防波堤に使って
いるようなものじゃないのか…?」
「ああ、そうだな。けど…同時にお前と俺はこうして別々の肉体を持っていても
心のどこかでは繋がっている。だからお前が密かに御堂を想うようになった時、
俺もあいつを好きになり始めた。なら…下手に別れさせるよりも、こうした方が
良いと思った。…俺は、本来なら存在しない筈の男なんだからな…」
「そんな、事…言うなよ! 確かにずっと一緒にいてくれる奴じゃないかも
知れないけれど…今、こうしてお前はオレの傍にいるじゃないか! こうして
存在して、抱き合っているじゃないか…。なのに、そんな弱気な発言を
しないでくれよ! お前は今、ここにいるんだから!」
眼鏡の発言に、克哉は泣きじゃくりながらそう訴えていった。
相手の体は確かに暖かく、そして…今、克哉の傍に存在しているのだから。
夢幻などではなく、『彼』は確かに…いるのだから。
いつだって傲慢で自信満々な男が、そんな殊勝なことを考えていた事など
思いもよらなかった。
「確かに…オレは抱かれてから、御堂さんに惹かれているよ。けど…
オレの今の一番は、間違いなくお前なんだ! それだけは忘れるなよ…!
こんなに好きなのに、まだ伝わっていないのかよ! いい加減に判れよ!
このバカ…!」
「…はっきりと言ってくれたな。お前だってそんな風にきっぱりとこちらに
想いを告げたのは…今が初めてだって判っているのか?」
「えっ…?」
そうして真摯な眼差しでもう一人の自分に見据えられていく。
アイスブルーの瞳が、まるでこちらを射抜くかのように近距離に迫って来て
克哉は思わず、言葉を失いかけた。
(そんな目で見るなよ…見られたら、オレ…)
胸がまた激しくドキドキして、止まらなくなる。
相手の目に全ての意識が浚われてしまいそうだった。
ごく自然に瞼を閉じて、唇を寄せ合っていく。
そして静かに重なり合った途端、少し離れた処からカチャリと…
扉が開閉する音が、微かに聞こえていったのだった―
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
恋人の条件 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43
眼鏡から言われた本音という言葉が、妙に心に響いていた。
吐息が掛かるぐらいにすぐ間近に相手の顔が存在している。
こうしてシーツの上に組み敷かれているだけで、心臓が壊れてしまうのでは
ないかって思うぐらいにドキドキしているのが判った。
(こうして間近で顔を見ているだけで…胸が、おかしくなりそうだ…)
同時に、思いっきり相手の頬を叩いた手がジンジンと痺れていた。
こんな風に手のひらが痛くなるぐらいに力を込めて人を引っ叩いた事など
克哉は初めてだったのだ。
あんな風にタガが外れてしまったかのように、泣きながら相手に感情を
ぶつけたことなど今までなかったから。
克哉は半ば呆然となりながら、頼りない眼差しでもう一人の自分を
見つめていた。
(嗚呼、でもそうだよな…。オレ、今までこいつに嫌われるのが怖くて…
好きだって事すら言えないで…あんな風に感情をぶつけたことなんてなかった。
そんな事をしたら、嫌われてしまうと無意識の内に思っていたから…)
眼鏡の唇が、頬や目元に静かに降ってくる。
その感覚にくすぐったさを覚えていきながら…自分の方にもっと引き寄せたくて
懸命に首に腕を回して縋り付いていった。
相手の肩口に顔を埋めていきながら、必死になって抱きついていく。
お互いに無言のまま、暫く時間が流れていった。
そして…眼鏡は、ポツリと呟いていった。
「…お前はさっき、自分以外を抱くなと言ったな…。だが、そうなればお前は
一人でずっと…俺を待つことになるぞ。次にいつ来るのか判らない状態でな…」
「えっ…?」
思ってもみなかった事を言われて、克哉はハっと顔を上げていった。
気のせいか…もう一人の自分の表情がとても切ないものに映って…
克哉は言葉を失いかけていった。
そう、ここ三日間…頻繁に顔を合わせていたから、半ば忘れていた事だった。
もう一人の自分との逢瀬は、連絡が取り合える訳ではない。
気まぐれのように彼は姿を現し、そして抱き合ったらいつも克哉の傍らから
いなくなっている…そういう付き合い方をしていた事を思い出していった。
「…俺は今回はたまたま、十日間という時間をあの男から貰った。
だが…その期間が過ぎれば、お前の前にいつ顔を出してやれるか判らない。
傍にずっといてやれる訳ではなく、その間に…例の薬でお前への想いを引き出された
奴らが、お前にまた迫って来て必死になってお前を口説くかも知れない。
それなら…お前も心憎からず思っている御堂をこちらに引き寄せて、俺がいない
間…一緒に過ごす事を認めれば、お前は少なくとも他の奴に流される事は
なくなると考えた訳だが…違うか?」
「えっ…あ、それって…言葉は悪いけど、御堂さんを…防波堤に使って
いるようなものじゃないのか…?」
「ああ、そうだな。けど…同時にお前と俺はこうして別々の肉体を持っていても
心のどこかでは繋がっている。だからお前が密かに御堂を想うようになった時、
俺もあいつを好きになり始めた。なら…下手に別れさせるよりも、こうした方が
良いと思った。…俺は、本来なら存在しない筈の男なんだからな…」
「そんな、事…言うなよ! 確かにずっと一緒にいてくれる奴じゃないかも
知れないけれど…今、こうしてお前はオレの傍にいるじゃないか! こうして
存在して、抱き合っているじゃないか…。なのに、そんな弱気な発言を
しないでくれよ! お前は今、ここにいるんだから!」
眼鏡の発言に、克哉は泣きじゃくりながらそう訴えていった。
相手の体は確かに暖かく、そして…今、克哉の傍に存在しているのだから。
夢幻などではなく、『彼』は確かに…いるのだから。
いつだって傲慢で自信満々な男が、そんな殊勝なことを考えていた事など
思いもよらなかった。
「確かに…オレは抱かれてから、御堂さんに惹かれているよ。けど…
オレの今の一番は、間違いなくお前なんだ! それだけは忘れるなよ…!
こんなに好きなのに、まだ伝わっていないのかよ! いい加減に判れよ!
このバカ…!」
「…はっきりと言ってくれたな。お前だってそんな風にきっぱりとこちらに
想いを告げたのは…今が初めてだって判っているのか?」
「えっ…?」
そうして真摯な眼差しでもう一人の自分に見据えられていく。
アイスブルーの瞳が、まるでこちらを射抜くかのように近距離に迫って来て
克哉は思わず、言葉を失いかけた。
(そんな目で見るなよ…見られたら、オレ…)
胸がまた激しくドキドキして、止まらなくなる。
相手の目に全ての意識が浚われてしまいそうだった。
ごく自然に瞼を閉じて、唇を寄せ合っていく。
そして静かに重なり合った途端、少し離れた処からカチャリと…
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
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…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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