鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
恋人の条件 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42
眼鏡から与えられた口づけは、最初は伺うような感じだった。
だが克哉は相手ともっと近づきたくて、同時に触れ合っていたくてしがみつく
ように抱きついていけば徐々に深いものへと変わっていく。
胸の中に湧き上がる幸福感。
それと同時に、眼鏡以外の相手に触れられて良いようにされてしまった
自分を責める気持ちがジワリジワリと広がっていく。
相手の舌先が口腔を弄り、官能を引き出していくと…肉体的だけでは
ない快楽が、徐々に生まれ始めていった。
(凄く、気持ち良い…。本多や、太一や…あの澤村って人に触れられた
時と全然違う…。本多や太一の事は嫌いじゃないけど、やっぱり…
『俺』や御堂さんに触られている時って…触れられている感覚が全然違う…)
快楽には、精神的な要素も大きく作用する。
肉体的に快感を与えられても、強引に引きずり出されても…自分が思いを
寄せている相手か、そうじゃないかによって大きな差が生まれてくるのだ。
皮肉な話だが、他の人間に触れられたからこそ…余計に、もう一人の自分が
特別な存在である事を自覚した。
そして強引にこちらを抱いた御堂に対しても、心を寄せつつある事実に…
胸が軋み始めていった。
他人に触れる、関わる形で…自分の中で、相手の存在がどんな位置を占めて
いるのか…物差しを得る事が出来る事もある。
一対一で向き合っている頃は、それが見えなかった。
けれど今は…どれだけ、眼鏡が自分にとって特別だったのか判ってしまった。
だからこそ…キスが解けた時、克哉は自然に呟いて…涙を零して
しまっていた。
「…ゴメン、本当にゴメンな…『俺』…」
「…何を、お前は謝っているんだ…?」
「…オレ、ここ数日…全然、貞操を守る事なんて出来なかった…。御堂さんに
抱かれて、本多や太一にも言い寄られて…そして、あの澤村って人に浚われて
良いようにまでされてしまった…。お前の事を好きだっていうのなら…オレは、
必死に抵抗しなきゃいけなかったのに…。結局、どうにか自分の意思できっちりと
断る事が出来たのは太一だけで…後は、流され続けてしまっていた…。
こんな情けないオレで、本当に…ゴメンな…」
克哉は今にも涙を零しそうな…潤ませた瞳でそう告げていく。
だが、すでに謝罪は一昨日に顔を合わせた時に聞いているからこそ、
眼鏡はシニカルな笑顔を浮かべて、平然と言い放っていった。
「…もう良い。それ以上、自分を責めるな。ただでさえ情けない顔が余計に
目も当てられない事になるぞ…」
「おい! 何だよその言い方! 自分だって同じ顔の造作をしている癖に…!」
「確かに認めたくないがお前と俺の基本的な顔の作りは一緒だ。だが目つきや
雰囲気によって大きく印象は異なるからな。俺はお前みたいに背中を丸めて
しょんぼりなどしないし…眉を大きく下げたり、だらしない目つきをしないように
心掛けているからな…」
「ああ、だからお前の方が何となく目つきが鋭いのか…。って、そんな話じゃなくて
茶化すなよ。特に御堂さんの件は…本気で、申し訳ないって思っているんだから…。
オレ、あの人に惹かれつつあって…全然、お前の事を一途になんて思えなくて…
それで、どうすれば良いのか…答えが見つから、なくて…」
「ああ、御堂の事は気にしなくて良い。たった今…あいつも俺のものに
してきたからな」
「…はあ?」
さも当然と言わんばかりに、平然とそんな爆弾発言をされて克哉の思考回路は
一瞬にしてショートしようになった。
だが…その言葉の意味を理解した途端、克哉は真剣に卒倒したくなった。
何と言うかダラダラと全身からドっと汗が溢れてくるのが判ってきた。
胸が何か嫌な感じに激しく脈動して、アドレナリンが分泌されているのが判る。
克哉は真剣にその事実を認めたくないと逃避したい衝動に駆られたが…今の
言葉の真偽を確認しない事には、却ってモヤモヤしそうだったので…どうにか
覚悟を決めて尋ねてみる事にした。
「あ、あの…一つ聞いて良いかな? 俺のものにしてきたって事は…お前、もしかして
御堂さんを…?」
「ああ、お前がニ時間ばかり意識を失っている間に…御堂を抱いて来た。
今頃、隣の部屋であいつの方もぐったりしていると思うぞ。…二発は
注いでやったからな…」
二発、という具体的な数字を聞いた瞬間、克哉はカッとなった。
自分だって御堂に抱かれているというという引け目があった。
けれど…胸の中に湧き上がる強烈な衝動は、紛れもなく嫉妬で。
もう一人の自分が他の人間を、御堂を抱いたという事実によって…克哉は
本気で憤りを覚えていった。
「バカ! バカバカ!! お前…何て事をするんだよ! 信じられない!」
そうして泣きじゃくりながら、パン! と大きな音を立ててもう一人の自分の
頬を思いっきりひっぱたいていった。
こんな風にもう一人の自分に対して怒った事も、引っ叩いた事も初めての
経験で…終わった後、克哉は自分の行動に茫然となった。
(しまった…衝動的に『俺』に手を、出してしまった…!)
その事実に、血の気が引く思いがしたし…その場から逃げ出したい衝動も
同時に生まれて来た。
しかし克哉はキっと眦を上げて…もう一人の自分を見据えていく。
「…確かに、御堂さんに抱かれたオレに…こんな事を、お前に言う資格なんて
ないのかも知れないけれど…。けど、オレ…お前が他の人間を抱くなんて
嫌だ! 我儘かも知れないけれど…オレ以外を、抱いたりしないでよ…」
それは、初めて克哉が見せた相手に対しての独占欲だった。
こんな事を言ったら、もしかしたら嫌われるかも知れないと思っていたから
ずっと言えないでいた言葉だった。
けれど眼鏡が御堂を抱いた、という事実が…今まで克哉を縛っていた
枷を粉々に砕いていく。
「…お前、初めて…俺の顔色を伺わないで、自分の本音を言ったな…」
「えっ…?」
克哉のその言葉に、何故か眼鏡は微かに笑っているようにすら映った。
相手の反応を不思議そうに克哉が見つめると同時に…力強く、もう一人の
腕の中に引き寄せられて、キツク抱きすくめられて…シーツの上に
組み敷かれていったのだった―
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。
恋人の条件 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
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眼鏡から与えられた口づけは、最初は伺うような感じだった。
だが克哉は相手ともっと近づきたくて、同時に触れ合っていたくてしがみつく
ように抱きついていけば徐々に深いものへと変わっていく。
胸の中に湧き上がる幸福感。
それと同時に、眼鏡以外の相手に触れられて良いようにされてしまった
自分を責める気持ちがジワリジワリと広がっていく。
相手の舌先が口腔を弄り、官能を引き出していくと…肉体的だけでは
ない快楽が、徐々に生まれ始めていった。
(凄く、気持ち良い…。本多や、太一や…あの澤村って人に触れられた
時と全然違う…。本多や太一の事は嫌いじゃないけど、やっぱり…
『俺』や御堂さんに触られている時って…触れられている感覚が全然違う…)
快楽には、精神的な要素も大きく作用する。
肉体的に快感を与えられても、強引に引きずり出されても…自分が思いを
寄せている相手か、そうじゃないかによって大きな差が生まれてくるのだ。
皮肉な話だが、他の人間に触れられたからこそ…余計に、もう一人の自分が
特別な存在である事を自覚した。
そして強引にこちらを抱いた御堂に対しても、心を寄せつつある事実に…
胸が軋み始めていった。
他人に触れる、関わる形で…自分の中で、相手の存在がどんな位置を占めて
いるのか…物差しを得る事が出来る事もある。
一対一で向き合っている頃は、それが見えなかった。
けれど今は…どれだけ、眼鏡が自分にとって特別だったのか判ってしまった。
だからこそ…キスが解けた時、克哉は自然に呟いて…涙を零して
しまっていた。
「…ゴメン、本当にゴメンな…『俺』…」
「…何を、お前は謝っているんだ…?」
「…オレ、ここ数日…全然、貞操を守る事なんて出来なかった…。御堂さんに
抱かれて、本多や太一にも言い寄られて…そして、あの澤村って人に浚われて
良いようにまでされてしまった…。お前の事を好きだっていうのなら…オレは、
必死に抵抗しなきゃいけなかったのに…。結局、どうにか自分の意思できっちりと
断る事が出来たのは太一だけで…後は、流され続けてしまっていた…。
こんな情けないオレで、本当に…ゴメンな…」
克哉は今にも涙を零しそうな…潤ませた瞳でそう告げていく。
だが、すでに謝罪は一昨日に顔を合わせた時に聞いているからこそ、
眼鏡はシニカルな笑顔を浮かべて、平然と言い放っていった。
「…もう良い。それ以上、自分を責めるな。ただでさえ情けない顔が余計に
目も当てられない事になるぞ…」
「おい! 何だよその言い方! 自分だって同じ顔の造作をしている癖に…!」
「確かに認めたくないがお前と俺の基本的な顔の作りは一緒だ。だが目つきや
雰囲気によって大きく印象は異なるからな。俺はお前みたいに背中を丸めて
しょんぼりなどしないし…眉を大きく下げたり、だらしない目つきをしないように
心掛けているからな…」
「ああ、だからお前の方が何となく目つきが鋭いのか…。って、そんな話じゃなくて
茶化すなよ。特に御堂さんの件は…本気で、申し訳ないって思っているんだから…。
オレ、あの人に惹かれつつあって…全然、お前の事を一途になんて思えなくて…
それで、どうすれば良いのか…答えが見つから、なくて…」
「ああ、御堂の事は気にしなくて良い。たった今…あいつも俺のものに
してきたからな」
「…はあ?」
さも当然と言わんばかりに、平然とそんな爆弾発言をされて克哉の思考回路は
一瞬にしてショートしようになった。
だが…その言葉の意味を理解した途端、克哉は真剣に卒倒したくなった。
何と言うかダラダラと全身からドっと汗が溢れてくるのが判ってきた。
胸が何か嫌な感じに激しく脈動して、アドレナリンが分泌されているのが判る。
克哉は真剣にその事実を認めたくないと逃避したい衝動に駆られたが…今の
言葉の真偽を確認しない事には、却ってモヤモヤしそうだったので…どうにか
覚悟を決めて尋ねてみる事にした。
「あ、あの…一つ聞いて良いかな? 俺のものにしてきたって事は…お前、もしかして
御堂さんを…?」
「ああ、お前がニ時間ばかり意識を失っている間に…御堂を抱いて来た。
今頃、隣の部屋であいつの方もぐったりしていると思うぞ。…二発は
注いでやったからな…」
二発、という具体的な数字を聞いた瞬間、克哉はカッとなった。
自分だって御堂に抱かれているというという引け目があった。
けれど…胸の中に湧き上がる強烈な衝動は、紛れもなく嫉妬で。
もう一人の自分が他の人間を、御堂を抱いたという事実によって…克哉は
本気で憤りを覚えていった。
「バカ! バカバカ!! お前…何て事をするんだよ! 信じられない!」
そうして泣きじゃくりながら、パン! と大きな音を立ててもう一人の自分の
頬を思いっきりひっぱたいていった。
こんな風にもう一人の自分に対して怒った事も、引っ叩いた事も初めての
経験で…終わった後、克哉は自分の行動に茫然となった。
(しまった…衝動的に『俺』に手を、出してしまった…!)
その事実に、血の気が引く思いがしたし…その場から逃げ出したい衝動も
同時に生まれて来た。
しかし克哉はキっと眦を上げて…もう一人の自分を見据えていく。
「…確かに、御堂さんに抱かれたオレに…こんな事を、お前に言う資格なんて
ないのかも知れないけれど…。けど、オレ…お前が他の人間を抱くなんて
嫌だ! 我儘かも知れないけれど…オレ以外を、抱いたりしないでよ…」
それは、初めて克哉が見せた相手に対しての独占欲だった。
こんな事を言ったら、もしかしたら嫌われるかも知れないと思っていたから
ずっと言えないでいた言葉だった。
けれど眼鏡が御堂を抱いた、という事実が…今まで克哉を縛っていた
枷を粉々に砕いていく。
「…お前、初めて…俺の顔色を伺わないで、自分の本音を言ったな…」
「えっ…?」
克哉のその言葉に、何故か眼鏡は微かに笑っているようにすら映った。
相手の反応を不思議そうに克哉が見つめると同時に…力強く、もう一人の
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HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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