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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
 他のカップリング要素を含む場面も展開上出てくる場合があります。
 それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。

 恋人の条件                        10 
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 克哉の瞳は涙で潤み、唇は直前の御堂との口づけで濡れていた。
 けれど…両手の拳をギュッと握りしめてもう一人の自分と向き合っていった。
 いつだって…彼は怖かった。
 眼鏡を掛けた自分といつ会えなくなってしまうのか、嫌われて
しまうかをおびえ続けていたと言っても過言ではなかった。
 けれど…御堂と太一を傷つける結果になると判っても、断りを入れた事で
ようやく腹が決まったようだった。

「…全く、お前はバカだな…。自分から寂しくなるような道を選んで…。
俺と安定して会えるのもう…今日を含めても、残り八日しか存在しない。
それが過ぎたら…またいつ現れるのか判らない日々が続くんだぞ。
…本当にそれでも構わないのか?」

「うん…構わない。だって自分で選んだ道なんだから…。それよりも
胸を張って言いたい事があるから…」

「…胸を張って言いたい事…? 何だ、言ってみろ…」

「うん、オレ…お前の恋人なんだって、胸を張って言いたいから…。オレ以外を
見ないで欲しい、抱かないで欲しいって主張するなら…そうするのが筋だって
思ったから。こんな気持ち…お前にとってはうざいだけかも知れないけどさ…。
それがまぎれもないオレの本心な訳だから…」

 本当は御堂に対しても、太一に対しても若干の未練めいた感情が
多少はあった。
 元々太一は親しい友人だったし、御堂には憧れにも似た気持ちを
潜在的に抱いていたから。
 克哉の方だって彼らを憎からず思う気持ちや、想われる事に対しての
優越感や喜びみたいなものを覚えていた。
 けれど…それ以上に、克哉が今欲しいものは…もう一人の自分の
気持ちであり、独占したいという欲だったのだ。

「…オレはお前が好きだ。だから…誰にも渡したくないし…お前に誰にも
見てほしくなんてないんだ…。ただ身体を重ねて時々会うだけの間柄じゃなくて、
お前を長く待つ事になっても良い…。その間寂しい思いをする事になったと
しても…オレはお前のものなんだと、恋人なんだと胸を張って言えるように
なりたかったんだ…!」

「…お前が、俺の意思に逆らってまで…そこまで強く主張をするなんて…
初めての事だな…。俺は御堂を引きとめて、俺と会えない間にお前が少しでも
寂しくないようにしてやるつもりだったんだがな…」

「うん、そうすればきっとオレはお前を待っている間、確かに寂しくなかったし…
御堂さんの腕に甘えていられたと思う。けれど…それに甘えてしまったら、
オレは…お前の恋人になりたいって、そのささやかな主張すら出来なくなって
しまうからね…」

 克哉はどこか達観した眼差しを浮かべていきながらそう呟いていった。
 少しずつ瞳から潤みと…怯えたような色合いが消えていった。
 こんな風にまっすぐ、もう一人の自分に向き合うことなんて初めての事だった。

「…何ていうか、たった数日の間に…お前の方は妙にたくましいというか
ふてぶてしくなったみたいだな…。数日前まで小動物のようにフルフルと
震えていたのが嘘みたいだ…」

「えっ、何だよその形容詞…! オレってそんなに怯えていたように見えていたのかよ…。
全く、お前が思っているよりもオレはずっと強いし、諦めも悪いししぶといんだよ…!
それぐらい、いい加減に判ってくれよ…!」

 そうして克哉はグっと間合いを詰めていきながら…もう一人の自分に噛みつくように
口づけていった。
 荒々しく唇が重なり合い強い力で抱きついていった。
 もう相手を離さないと、しっかりと全身で意思表示をしていくように…。
 互いの舌を深く絡ませ合う激しいキスをしばらく交わし合い…それから、
克哉は真摯な思いを込めていきながらこう告げていった。

「オレを…抱いてくれ…。オレはお前のものだって…そう実感出来るように。
お前もまた…こっちと同じ気持ちを抱いてくれているのなら…そうしてくれ…」

「…判った…」

 克哉の言葉と態度に、眼鏡もまた腹を括っていった。
 そして迷いない動作で改めて克哉の身体を再びベッドシーツの上に組み敷いて
いけば…二人の身体は折り重なり、キングサイズのベッドは大きく軋み
始めていったのだった―

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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